頭蓋咽頭腫の手術を2回経験してわかったこと|1回目と2回目の入院・退院後の違い【体験談】

※この記事は、頭蓋咽頭腫と診断された当事者が、診断に至るまでの経緯を実体験としてまとめたものです。

2020年、私は頭蓋咽頭腫と診断され、手術を受けました。
そして2025年、腫瘍の再発により2回目の手術を経験しています。

同じ病気、同じ手術方法であっても、
1回目と2回目では「入院生活」「体の回復」「精神的な負担」が大きく違うと感じました。

この記事では、
頭蓋咽頭腫の手術を2回経験した当事者として、入院中・退院後の違いを実体験ベースでまとめます。

これから手術を控えている方や、再発に不安を感じている方の参考になれば幸いです。

目次

2020年|1回目の頭蓋咽頭腫手術について

視力低下がきっかけで診断へ

最初の自覚症状は
「目が見えにくい」という違和感でした。

検査の結果、
ピンポン玉ほどの大きさの頭蓋咽頭腫が見つかり、
2020年に1回目の手術を受けることになりました。

手術方法は「内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術」

手術は開頭ではなく、

  • 内視鏡下経鼻的腫瘍摘出術
  • 鼻から内視鏡と器具を入れて腫瘍を摘出する方法

この手術方法は、2025年に行った2回目の手術も同じでした。

1回目手術後の入院生活|正直、人生で一番つらかった

手術時間と術後管理

  • 手術時間:約10時間
  • 髄液漏リスク対策として腰に管を通す処置
  • ICU:1泊
  • HCU:5泊

この6日間は、これまで生きてきた中でも
「一番つらかった」と言える経験でした。

時間感覚がなくなる恐怖

ICU・HCUでは、

  • 時計が見えない
  • 窓も近くにない

そのため、時間の感覚が完全に分からなくなり
精神的にもかなり追い込まれました。

身動きが取れない苦痛

  • 寝返りは多少できる程度
  • ほぼ同じ姿勢で過ごす

首・背中・腰への負担が大きく、
「横になっているだけなのに、こんなにつらいのか」と感じました。

味覚・嗅覚が消えた食事の苦しさ

食事はHCUに移ってから許可されましたが、

  • 匂いがしない
  • 味がしない

術後の頭痛や倦怠感がある中で、
味も匂いもしない食事を摂るのは大きなストレスでした。

不思議なことに、

  • フルーツ
  • ゼリー
  • プリン

は、わずかに味を感じられ、
喉越しの良さにも助けられました。

2025年|2回目の頭蓋咽頭腫手術

2回目の手術前、主治医からは
「医療は進歩しているので、前回より体は楽だと思いますよ」
と言われていました。

正直、
「前回がつらすぎたので、あまり期待はできない」
と思っていました。

実際の違い

  • 手術時間:約6時間
  • ICUには行かず、HCUへ
  • HCU:2泊のみ
  • 早期に一般病棟へ移動

明らかに身体的な負担は軽減されていました。

入院中の共通点|尿崩症の管理

1回目・2回目ともに、

  • 飲水量
  • 尿量

を毎日細かく記録しました。

これは尿崩症の薬を調整するためです。

このときの尿崩症の症状や入院中の水分管理については、尿崩症の体験談の記事で詳しく書いています。

味覚・嗅覚の回復スピードの違い

  • 1回目:退院後も約2か月、味覚が戻らなかった
  • 2回目:術後4〜5日で匂い・味が回復

味覚がない状態は、想像以上にストレスになります。

このときも、

  • フルーツ
  • ゼリー
  • プリン
  • ヨーグルト

が食べやすく、助けられました。

身体機能の回復スピードがまったく違った

1回目の術後リハビリ

  • 6日間ほぼ寝たきり
  • 座る → 血圧測定
  • 立つ → 血圧測定
  • 問題なければ車椅子で一般病棟へ

慎重すぎるほど慎重な流れでした。

2回目の術後リハビリ

  • 車椅子で一般病棟へ
  • その日からリハビリ科医師が介入
  • 歩行練習・軽い運動指導あり

「体調が良ければ、毎日少しでも歩く」
この指導は、1回目では考えられないものでした。

共通してつらかった「夜眠れない問題」

1回目

  • 動画を見る
  • ゲームをする

2回目

  • 動画・ゲーム
  • Audibleで目を閉じて読書

この「目を使わずに過ごせる時間」が、
2回目はとても自分に合っていました。

2回目の入院では、Audibleで目を閉じたまま本を聴くという習慣が、夜の不安を和らげてくれました。

退院後の回復の違い

  • 1回目:徒歩3分のスーパーで買い物 → 翌日、強い筋肉痛
  • 2回目:30分のウォーキングでも問題なし

回復スピードの差を、身をもって実感しました。

術後の注意点(共通)

1回目・2回目ともに、

  • 頭痛が頻繁に起きる
  • 激しい運動は禁止
  • いきむ動作・飲酒は1か月控える

理由は髄液漏のリスクがあるためです。

当然、
テニスコーチとしての仕事も一定期間制限されました。

まとめ|2回目の方が楽だった。でも油断はできない

同じ頭蓋咽頭腫、同じ手術方法でも、

  • 医療の進歩
  • 体の順応
  • 術後管理の違い

によって、2回目の方が明らかに体は楽でした。

ただし、
術後の注意点や制限は決して軽くはありません。

これから手術を控えている方に伝えたいのは、

「確かに不安はある。でも、回復は前に進んでいる」

という事実です。

このブログを書いている僕自身については、 プロフィールページ にまとめています。
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