※この記事は、頭蓋咽頭腫と診断された当事者が、診断に至るまでの経緯を実体験としてまとめたものです。
頭蓋咽頭腫の初期症状は「見えにくさ」だった
今思えば、頭蓋咽頭腫の最初の症状はとても分かりにくいものでした。
- 視界がかすむ
- ピントが合いにくい
- 物がぼやけて見える
強い痛みや吐き気があるわけではなく、
日常生活も「なんとかこなせる」レベル。
そのため当時は、
「疲れ目」「年齢のせい」
この程度にしか考えていませんでした。
眼科を受診するも「異常なし」と言われ続けた
視界の違和感から、最初に受診したのは眼科です。
検査の結果は、
「視力に異常はありませんし、目自体にも問題はありません」
という診断でした。
目薬を処方され、
「しばらく様子を見てください」と言われました。
しかし、症状は改善するどころか、
徐々に悪化していきます。
その後、別の眼科も受診しましたが、
結果は同じでした。
この時点で、
「何かおかしい」
という不安だけが積み重なっていきました。
3件目の眼科で脳外科受診を勧められた
転機となったのは、3件目の眼科でした。
診察後、医師から告げられたのは、
「紹介状を書くので、すぐ脳外科を受診してください」
という言葉。
正直なところ、
なぜ脳外科なのか理解できていませんでした。
「目が見えにくいだけなのに?」
そう思いながらも、指示に従い脳外科を受診しました。
MRI検査で初めて「脳」に原因があると分かる
脳外科では、簡単な問診のあと
MRI検査を受けることになりました。
- 狭い筒状の機械
- 約30分間、動けない
- 大きな作動音
人生で初めてのMRI検査は、
身体的にも精神的にもかなりの負担でした。
視界障害の原因は脳腫瘍だった
MRI検査後、すぐに結果説明がありました。
視界が見えにくくなっていた原因は、
脳腫瘍が視神経を圧迫しているため
という診断でした。
MRI画像には、
ピンポン玉ほどの白い影がはっきりと写っていました。
この瞬間、
「見えにくさ」の正体が初めてはっきりしました。
家族同伴で大学病院へと言われた意味
脳外科の医師からは、
「大学病院に紹介状を書きます。ご家族と一緒に受診してください」
と言われました。
この言葉で、
事の重大さをようやく実感しました。
診断結果を妻に伝え、
仕事の予定を調整し、家族で大学病院を受診することになります。
当時、娘はまだ2歳でした。
診断名は「頭蓋咽頭腫」
大学病院で詳しい検査を受けた結果、
腫瘍の正体は 頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ) だと分かりました。
頭蓋咽頭腫は、
- 脳腫瘍の中でも比較的まれ
- 視神経や下垂体の近くにできやすい
- 視力障害やホルモン異常を引き起こすことがある
という特徴を持つ腫瘍です。
頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)は、主に脳の中の下垂体の近くにできる良性の腫瘍です。良性であるためほかの部位への転移は起こりませんが、重要な脳の構造の近くに位置するため、適切な診断と治療が必要です。頭蓋咽頭腫は中枢神経系に発生する腫瘍の一つで、主に子どもから若年成人に多くみられます。発症頻度は比較的低く、年間10万人に1人程度とされています。
この腫瘍は発生部位の特徴から視覚障害、内分泌異常(ホルモン分泌の問題)、水頭症(脳脊髄液の流れが妨げられる状態)を引き起こすことが知られています。腫瘍の多くは 嚢胞性(液体を含む袋状)と固形性の成分を持ち、これが診断と治療計画に影響を与えます。良性とはいえ、腫瘍の周囲の構造との関係から手術や治療が難しくなる場合があります。
引用元 https://medicaldoc.jp/cyclopedia/disease/d_head/di1572/
この診断が、
その後の手術、下垂体機能低下症、尿崩症、
そして今の生活へとつながっていきます。

まとめ|原因不明の症状が続く場合は要注意
僕の場合、
「ただの見えにくさ」から始まり、
最終的に頭蓋咽頭腫と診断されました。
もし、
- 視界の異変が続いている
- 眼科で異常なしと言われたが改善しない
- 原因不明の不調が長引いている
このような場合は、
別の視点(脳・神経)での検査が必要なケースもあります。
この記事が、
同じような不安を抱える方の判断材料になれば幸いです。
その考えをまとめた記事がこちら。


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