頭蓋咽頭腫(ずがいいんとうしゅ)の手術を、 僕はこれまでに2回経験しました。
この病気は、人口100万人あたり年間3人といわれる、 かなり珍しい脳腫瘍です。
それを2回経験するなんて、 僕はどんだけ運が悪いのか。
いや、もしかしたら運が良いほうなのかもしれない。 こうして今、元気に生活できているんだから。
ちなみに、どちらも経鼻内視鏡手術(鼻から内視鏡を入れて行う手術)で、 入院期間はそれぞれ約2週間でした。
同じ病気、同じ手術方法でも、
・入院中のつらさ ・術後の回復スピード ・体への負担
この3つに、ぶっちゃけかなりの違いを感じました。
この記事では、
を、できるだけ正直に書きます。
これから手術を受ける方や、 再発で不安を抱えている方に向けて、 少しでも気持ちが軽くなればと思って書いていきます。
頭蓋咽頭腫とは?|簡単にまとめておく
結論から言うと、腫瘍自体はほぼ良性です。
脳の中心部、下垂体(ホルモンを出す重要な器官)の近くにできる脳腫瘍のことを、 頭蓋咽頭腫といいます。
良性とはいえ、
という特徴があり、 手術が必要になるケースがほとんどです。
僕の場合も、視力の低下をきっかけに検査を受けて、 診断に至りました。
1回目の頭蓋咽頭腫手術|とにかく長く、つらかった
手術と入院の概要
初めての手術ということもあり、 精神的にも身体的にも、かなり消耗した入院生活でした。
ぶっちゃけ、これが今までの人生で一番つらい経験だったと思います。
ICU・HCUで感じたこと
ICUやHCUにいた時期は、こんな状態でした。
その中でも、特にきつかったのが、 味覚と嗅覚がほぼ完全に失われたことでした。
食事は出てくるんです。
でも、味がしない。匂いもしない。
「こんなんで、おいしく食べられるわけないじゃん」
正直そう思って、食欲もほとんどありませんでした。
さらに、術後はホルモンバランスの乱れから 尿崩症(にょうほうしょう)も発症しました。
異常な喉の渇きと、大量の尿。 この症状とも、入院中から戦うことになります。
2回目の頭蓋咽頭腫手術|「同じ手術でも、ここまで違うのか」
手術と入院の概要
2回目は、再発による手術でした。
「また、あの入院生活か……」
最初はそう思って、正直気が重かったです。
でも実際に経験してみて、 医療体制や術後管理の進歩を強く感じました。
ICUに入ることもなく、 比較的早く一般病棟に移動できたのは大きな違いでした。
正直に言うと、1回目のときの100倍は身体が楽でした。
あの1回目の経験は、二度としたくない。 これは今でもはっきり言えます。
1回目と2回目の入院生活の違いを比較してみる
1回目の入院
・味覚と嗅覚が戻るまで約2か月
・ICUとHCUが長かった
・身体拘束感が強かった
・精神的な不安が大きかった
2回目の入院
・ICUなしで負担が軽かった
・早めに体を動かせた
・回復を冷静に受け止められた
・味覚と嗅覚は4〜5日でほぼ戻った
同じ病気、同じ手術方法、しかも同一人物なのに、 ここまで違うのか。
正直びっくりしました。
術後の回復スピードはここまで違った
味覚・嗅覚の回復
味覚と嗅覚が戻らないのは、本当に精神的にきつかったです。
「ご飯が楽しみ」というのが どれだけ人生を支えていたか、病気になって気づきました。
体力の回復
「回復には個人差がある」と言われればそれまでです。
ただ、同一人物でもここまで差が出ることを、 身をもって感じました。
手術後に共通して注意が必要だったこと
2回の手術を通して、 共通して注意が必要だった点もあります。
これらは、1回目も2回目も、 医師から強く言われました。
退院=完治、ではないんですよね。
術後の過ごし方が、回復を左右する。 2回の経験から、これは強く感じています。
頭蓋咽頭腫の手術を経験して、働き方そのものを見直した
2回目の手術後、僕は働き方を見直すようになりました。
僕の仕事はテニスコーチです。 体を使って、汗をかいて、現場で教える仕事。
でも、体力に波がある今の状態では、 健康だった頃と同じ働き方はできません。
こんなふうに、仕事の仕方を根本から変えました。
さらに、体が止まっても収入が途絶えない仕組みとして、 副業(ブログや発信活動)にも少しずつ取り組んでいます。
「体が資本の仕事」をしている人にとって、 病気は働き方を考え直す大きなきっかけになる。
2回の手術を経て、 今ではそう思うようになりました。
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これから頭蓋咽頭腫の手術を受ける方へ
手術前は、どうしても不安になります。
それは当たり前の気持ちで、無理に抑えなくていいと思います。
僕も1回目は、正直「恐怖」しかありませんでした。
ただ、2回の経験を通して思うのは、
「回復は、ゆっくりでも確実に進む」
ということです。
無理に冷静になろうとしなくていい。
大事なのは、 医師の指示を守りながら、自分の体を信じること。
少なくとも僕は、この珍しい病気を2回経験しながら、 今も生活を続けられています。
「そんな経験をした奴もいるんだ」
そう思って、 自分の体と気持ちの変化を、焦らず受け止めていってほしいなと思います。
まとめ|2回の手術経験から伝えたいこと
頭蓋咽頭腫の手術は、 同じ方法でも、
が大きく変わることがあります。
この記事が、
にとって、少しでも不安をやわらげることができたら嬉しいです。
同じ病気を経験した者として、 これからも自分の体験を発信していこうと思います。
※本記事は、頭蓋咽頭腫の手術を2回経験した筆者(指定難病・尿崩症/下垂体前葉機能低下症の受給者証保持者)の個人的な体験談です。 症状の出方・手術方法・回復の経過には個人差が大きく、すべての方に当てはまるものではありません。 診断・治療・術後の過ごし方については、必ず担当医・医療機関にご相談ください。

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